【文献紹介】当院における腱板断裂術後の実態調査

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紹介する文献は東北理学療法学に2014年に記載された「当院における腱板断裂術後の実態調査」です。著者は鈴木宏奈先生、小野健太先生の2名です。

この文献はARCR後の再断裂リスクについて、リハビリ視点から書かれている数少ない文献の一つです。なにが「原因」かを考えられています。

結論を書くと、因子としては。「3ヶ月以内」「上腕二頭筋長頭断裂の合併」「男性」を上げらています。

え?男性がリスク?

不思議に思ったのですが、おもしろい考察をされています。あとで引用しているのでお楽しみに。

再断裂は意外と多い

でも再断裂の報告ってかなりあるんですよね。引用されている数字をみてびっくしました。

ARCRの術後成績は比較的安定していると言 われているが,術後の再断裂率は5~94%と幅広 い報告(1-4)が見られる。

そんなに差がみられるんですか、、、体感的には10%くらいかと思ってます。

次にリハビリテーション介入が再断裂に与える影響を良い報告、悪い報告ともにわかれていることを引用されて、次のように書かれています。

以上のリハの至適時期 や頻度の報告を踏まえると,再断裂との関連は ハの至適時期や頻度の影響より他の因子が大きいように感じられる。

また,これまでの筆者の臨床 経験で再断裂症例には,疾痛が長引いている症例 や,全く疾痛がなく早期より可動域が拡大されて いる症例,安静度の理解が得られにくい症例等の 印象があり,疾痛や安静度の理解も再断裂に関連 があるのではないかと推測される。

そうそう。

無痛のROM-ex患者さんが再断裂を起こしていることが多いってのは、整形理学領域に永く(30年くらい)務めている先生に伺っていました。ほかの方もそう感じているのですね。

あとARCR後の安静度の理解ってすごく重要です。注意して口を酸っぱく言ってても、平気でactiveしようとする方もいますもんね。

結論の引用

結論の部分。3つの特徴がありました。

再断裂は術後3ヶ月以内に生じており, 特にLHB損傷合併例や,男性が有意に多いという特徴が挙げられた。

で、テクニカルな考察を「3ヶ月以内」「LHB損傷の合併」にしたあとでの、男性に再断裂が多いとする考察がおもしろい。B群は再断裂群です。

続いてB群は男性のみであった点だが,地域 柄,農作業や大雪による除雪作業の必要性が高い ため,修復腱板に対する過負荷を一つの要因とし て考える。男性のみが農作業や除雪作業を行うと は断言できないが,筆者はそのような,いわゆる 力仕事を行う生活背景を有するのは男性に比較的 多い印象を受けていた。B群の10例中5例は術後 3ヶ月が冬期間に当たっていた。

また,農業従事者は4例おり,その内2例は術後3ヶ月が農繁期 に当たり,修復腱板に過負荷となり得る力仕事を 行う生活背景が存在していた。しかし,実際にそ の5例が除雪作業をし,2例が農作業を行ってい たかどうかは未確認であり,検討項目である安静 度の理解と再断裂との関連も今回は見られなかっ た。

この考察、人間味があってとっても好きです。

冬の時期に再断裂が増えるのは盲点ではないでしょうか。雪国ならではです。広島に住んでると想像できないリスクですね。

リスクが高い方はどうやら、安静度の理解しているのに再断裂をしているので、目の前に「自分の仕事」があると一生懸命頑張ってしまうお父さんのようなキャラクターの方のようです。

世のお父さん、腱板が切れたときくらいは仕事休んでいいんですよ!(泣)

以上、文献紹介でした。


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参考文献:

当院における肩腱板断裂術後の実態調査,東北理学療法26,pp199-204.2014.


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理学療法士

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