膝の後方内側回旋不安定性について調べてみた

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ROM-exをしていると膝関節の回旋不安定性を感じることはないでしょうか。

今回は脛骨高原骨折の保存の患者さんを担当させて頂いたのですが、安静期間が終わりギプス固定が外れて荷重許可!さーROM-exと荷重練習をはじめますか!っと思ったころのことです。

なんか動かしたら後内側方向に脛骨が落ち込んでいる気がする、、、しかも荷重で内側関節裂隙に強めの痛み、、、色々やったが改善せず。なんで?

そう思ったので少し調べてたところ、どうやら後方内側回旋不安定性(posteromedial rotatory instability PMRI)を呈しているようでした。

なので今回はこれについて調べたのでまとめておきます。

回旋不安定性って?

通常、膝関節の後方回旋不安定性を現れるときはPCL損傷+αによって起こることが多いようです。そして後方不安定性が外側・内側のどちらに不安定性を起こすのかは+αの部分で変わってきます。

神津ら(2005)は後内側回旋不安定性(PMRI)を呈した膝関節内骨折・後十字靭帯損傷の1例の中で表1のように回旋不安定性ついて分類しました。

回旋不安定性

画像引用:神津ら他,後内側回旋不安定性を呈した膝関節内骨折・後十字靭帯損傷の1例(2005) 表1より

後外側回旋不安定性(posterolateral rotatory instability PLRI)の場合

後外側回旋不安定性

画像出典:Anatomography 一部加工あり

外側回旋不安定性(PLRI)はPCL+後外側支持機構(PLS pos-terolateral structures)の損傷で起こります。PLRIはTKAの術後などでも確認できることがあり、よく教科書や文献に載っていて割りとポピュラーな病態です。またPLS損傷は再建術が現状では一般的でなく、難渋傾向のようです。機会があれば詳しく調べてみます。

後内側回旋不安定性(posteromedial rotatory instability PMRI)の場合

後内側回旋不安定性

画像出典:Anatomography 一部加工あり

PLRIと違ってあまり一般的ではないようで、1文献しか検索に引っかかりませんでした。こちらはPCL+脛骨高原骨折などによる内側関節面陥没が原因で起こることが確認されています。

後方内側回旋不安定性の評価は?

定型的な評価方法が見つけられなかったので、色々やってみました。

まずPCL損傷を伴っているわけですからサギング兆候が確認できるはず、と思ったのですが今回は陰性でした。はっきりとは落ち込んでいないわけです。

しかし後方引き出しテストをするとグニャッと沈んでしまい、特に内旋をかけると強く落ち込みました。あと屈曲位から伸展する際はスクリューホームムーブメントが内旋方向に逆回旋して最終域で強い痛みを内側関節裂隙に訴えがあり、これを修正すると痛みがでないので後方内側回旋不安定性を疑いました

あとは脛骨高原骨折後で上の図に当てはまる状況だなー思ったので疑いを強めました。

Drに相談してみたところ、はっきりしたPCL損傷はなくても高齢でOAも進行しておりPCLの機能不全は十分考えられるだろうとのことでした。結果治療方針は不安定性だけでなく痛みが十分にとれないためTKAのPS型方向になったのですが、文献によると若い方ではPCLの再建術を施行するケースもあるようです。

内側回旋不安定性に対してアプローチを考えてみる

TKAまで術前リハビリの期間があるので残しておきます。シングルケースなのでたまたまの可能性も大いにあります。

テーピングしてみた。

回旋誘導

画像出典:Anatomography 一部加工あり

理学療法でアプローチをやっているのですが効果的だったのは、前外側回旋方向誘導のテーピングでした。金属支柱付きの膝装具も試してみたのですが、細かな回旋の制動ができずテーピングに落ち着きました。できたら日常的に使うにはテーピングは不便なためインソールでコントロールしてみたいところです。上手く調整できそうならチャレンジしてみます。

大腿四頭筋を鍛えてみた。

膝よこ

画像出典:Anatomography 一部加工あり

あと重要なのが運動療法ですね。膝で鍛える筋肉といえば大腿四頭筋です。

昔から大腿四頭筋の筋力は重要とされていて、時代が変わってもアプローチが複雑になっても重要な筋肉は変わらないのです。あと印象ですけど、大腿四頭筋は質もだけど量がとても大事なんじゃないかなー。

そんで今回は後方に落ち込んでしまってるわけで、走行を考えても伸展位だと前方に牽引してくれそうです。なのでテーピング後1週間ほど鍛えてみたとろ、痛みが強く荷重量が体重の2/5だったのですが、3/5~4/5まで伸びてきました。筋力自体は神経因性だと思いますが良い感じの変化が起こっているので、このまま伸びてくれればいいのですが。


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参考文献

赤羽根ら他,後十字靭帯損傷後に後外側回旋不安定性を生じた一症例,愛知県理学療法会誌15(1),pp.57-59,2003.

河村ら他,膝関節後方外側回旋不安定性に対する再建術後の理学療法プログラムの検討,理学療法学12,PP.26,1985.

神津ら他,後内側回旋不安定性を呈した膝関節内骨折・後十字靭帯損傷の1例,東日本整災会誌17,pp.184-187 ,2005.

(編)林典雄,(編)浅野昭裕,整形外科,関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション 上肢・体幹 第2版,MEDICALVIEIV,pp.83,pp.104-107,2014


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理学療法士

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