第2肩関節のposterolateral pathとanterior pathについて!

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第2肩関節は厳密には解剖学的関節ではありませんが、肩峰と鳥口肩峰靭帯のアーチと大結節を機能的関節ととらえた概念で以下の4つで構成されています。

  1. 鳥口肩峰靭帯
  2. 肩峰下滑液包(人体で最大の滑液包)
  3. 腱板
  4. 大結節

上肢を挙上のポイントは大結節がどうやって鳥口肩峰アーチを安全に通過するかです。この関所を衝突せずに通過しないことには安全に頭上に手を延ばすことができません。

その第2肩関節の安全な通り道は3通りあるとされていて、後外路と前方路と中間路があります。

例えばどれかの経路を通ろうと思っても、肩峰下滑液包炎後の癒着や大結節の骨折による偏位から障害されると、アーチを通過できずに棘上筋腱などがimpingementを起こしてしまいます。

なので第2肩関節の通過障害がある肩はどこを通ればスムーズに超えられるのか知った上で、原因を考えて対処する必要性があります。

ということで今回は第2肩関節の3通りの通過方法と特徴をご紹介します。

posterolateral path 後外路

P

肘屈曲位、外旋、外転による挙上動作で大結節は肩峰下を通過します。骨頭が臼蓋に十分に支持されており効率の良い挙上方法です。

anterior path 前方路

A

肘屈曲位、内旋、前方挙上で大結節はアーチの内部を通過します。posterolateral pathに比べ骨頭が十分に支持を得ていないため不安定ですが、外旋拘縮がある場合でも挙上ができるため臨床上、重要な挙上方法とされています。

neutral path 中間路

後外側経路と前方経路の中間のためこの名前になっています。自然に楽な姿勢で挙上した人間の肩は肩甲骨面挙上になっていることが多く、日常に頭上へのリーチはここを通って挙上していると思われます。

大結節の立体的な通路

立花(1994)は肩関節の機能解剖を説明するうえでsohier(1967)と池田、信原(1987)を引用して以下のようにまとめています。

第2肩関節の通路を確認するうえでわかり易いでの引用しました。

sohierは大結節の位置関係から肩の動きを捉え、大結節が肩峰下に入り込む前を(挙上80度まで)prerotational gide、肩峰直下にある時を(挙上80〜120度)rotational gide、肩峰を通過した後を(挙上120度以降)postrotational glideと呼んだ。

これに前述のpathと合わせて考えることで大結節の通路を立体的に把握することができると紹介しています。

第2肩関節経路

画像出典:立花孝,肩関節障害-肩の運動学から孫引き

画像は肩峰(acromion)と烏口突起(coracoid process)を水平面上で上から見た図です。3の通過経路がありますが、最終地点では合流することが分かります。

外転と屈曲の経路

外転では大結節は外旋して肩峰を通過するposterolateral pathで通過することは有名ですが、屈曲の回旋方向は文献による報告はまちまちのようです。

上腕骨の回旋について注目した文献は少ない中で、佐藤は(2012)は5文献を引用しながら次のように述べています。

肩関節外転は上腕骨の外旋を伴いposterolateral pathを通過するが、屈曲では統一した見解が得られていない。

屈曲は上腕骨の内旋を伴うという報告や外旋をと伴うという報告、肩甲骨の運動を含めて複合的に観察すると相対的に上腕骨は内旋し、肩関節は外旋するという報告などが散見される。

腓骨が背屈で回旋するのも教科書によって記載はバラバラでしたが、肩関節屈曲も同様に意見が分かれているようです。

これは屈曲にはいくつかバリエーションがあるということなのでしょうか?anterior pathとneutral pathで計測に仕方が違うようにも思えます。研究が進むことが期待されますね。


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参考文献

信原克哉,肩関節障害に対するリハ処方,リハビリテーション医学29(9),pp.711-716,1992.

信原克哉,肩の運動学とその臨床,リハビリテーション医学28(4),pp.259-264,1991.

信原克也,肩周辺軟部組織の損傷,整形外科と災害外科23(4),pp.112-114,1974

信原克也,「運動分析における最新バイオメカニクス」-バイオメカニクスの現況-,第11回日本柔道整復接骨医学会学術大会長講演資料,2001.

佐藤久友,肩のバイオメカニクス〜臨床的観点からの検討〜,大阪臨床整形外科医会療法士会第2回研修会資料,pp.12-18,2012.

鳥巣岳彦 他,標準整形外科学第9版,医学書院,pp.363,2005

立花孝,肩関節障害-肩の運動学-,理学療法学21(8),pp.494-498,1994.


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理学療法士

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