橋(脳)の機能と働きと橋出血の生命予後因子

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橋は中脳と延髄の間にあり、小脳の腹側にあります。

中央は脊髄から識別性のある触覚情報を運ぶ上行性伝導路が通り、内側毛帯という神経路をつくり、これが橋を腹側部と背部に分けています。

腹側部には橋核ニューロンが散在、背側部には外転神経核、顔面神経核、三叉神経核など脳神経を中継する神経核があります。橋核と神経核で混在しないように注意してくださいね。

腹側部の詳細

腹側部には大脳脚より錐体路(皮質脊髄路、皮質橋路)と皮質橋路が縦橋線維を伝ってバラバラに分かれながら通ります。

皮質脊髄路は橋核を素通りしますが、皮質橋路は橋核に向かって小脳へ情報を伝えます。この橋核から小脳への線維を横橋線維といい、運動の開始、企画、タイミングを調整する小脳のフィードバックに関わります。

背部の詳細

橋背部の中央には網様体があり意識に関わり、ほかにも内側縦束、内側毛帯、外側毛帯などが走行します。

内側縦束 (MLF) は、前庭神経核群と外眼筋支配の運動性脳神経核群 (外転神経核、滑車神経核、動眼神経核) とを連絡をして眼球運動の協調などに関与します。内側毛帯は交差後の触覚の伝導路が通り、外側毛帯は聴覚の伝導路が通ります。

ほかにも背部は、脳神経を中継する多くの神経核があります。

背部の神経核と橋出血の生命予後因子

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画像出典:橋 (脳) – Wikipedia 橋下部での横断面

外転神経核 外眼筋の運動

眼球の外転に関わる運動繊維が外転神経核からはじまります。

顔面神経核 表情筋の運動

表情筋の運動を支配する運動ニューロンが集まり、橋と延髄の境からでて内耳孔→側頭骨→乳様突起の周囲→筋と通るので、この部分の骨折や神経浮腫にて顔面神経麻痺が発症します。

上唾液核 顔面の腺分泌(耳下腺以外)

耳下腺以外の涙腺や鼻腺、顎下腺や舌下腺への前部繊維を送ります。

三叉神経核 顔面の感覚、咀嚼運動に関わる。4つの亜核で構成される。

・三叉神経中脳路核:咀嚼筋や外眼筋の深部知覚に関わります。

・三叉神経主知覚核:顔面頭部の識別性のある触圧覚に関わります。

・三叉神経脊髄路核:顔面頭部の温痛覚と粗大な触圧覚に関わります。

・三叉神経運動核:第一鰓弓に由来する筋を支配する運動繊維を送ります。

前庭神経核 内耳前庭器官から平衡感覚の入力

内耳からの平衡覚情報を大脳、小脳、脊髄、眼球運動系へ投射して、バランスが崩れると反射的にバランスを回復させる前庭脊髄反射や前庭動眼反射を誘導します。

蝸牛神経核 内耳から聴覚の入力

蝸牛神経からの聴覚情報は上オリーブ複合体→下丘→内側膝状体→一次聴覚野と伝わります。

青斑核 ノルアドレナリンの凡性投射

メラニン顆粒を含む細胞が肉眼的に青みがかって見えるため青斑核といいます。ノルアドレナリンはストレス刺激や覚醒刺激に反応して、交感神経優位となる「逃走か闘争のモード」を導きます。

橋出血の予後

以上のように複雑な機能を有していますが、橋は出血しやすく損傷が起こりやすい部位です。しかし臨床で神経症状を確認してみると、ほとんど症状のない方から昏睡に至る方まで大きく分かれています。橋で錐体路症状が出現しにくいの解剖学的な理由は頭部CTのみかたで少し触れたのですが、橋出血の予後因子で影響が大きな因子はやっぱり血腫量と出血方向のようです。

大岩ら(1990)は橋出血の生命予後について以下のようにまとめています。

血腫量が5ml未満では、生命予後は良好

血腫量が5~20mlの症例は、予後不良であるが、中脳方向のみに進展するものは生存の可能性がある。一方は小脳方向への進展、脳室穿破を伴うものは予後不良である。

血腫量が20ml以上の予後は、絶対不良である。

生命予後が不良な理由としては小脳方向への進展は、橋背部の損傷も伴っており網様体損傷からの意識障害や自律神経症状が著名になることと、脳室穿破による髄液循環障害と髄液圧上昇が関わっているとされています。

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参考文献、HP

Eric R.Kandel(編)他,カンデル神経科学,,金沢一郎(監),宮下保司(監)pp.357-365,2014.

原 寛美 (編), 吉尾 雅春 (編),脳卒中理学療法の理論と技術,メジカルビュー社,pp39-42,2013.

Michael SchÜnke他,プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖第2版,坂井建雄(監),河田光博(監),pp.290-291,2014.

大岩海陽 他,原発性橋出血の生命予後-超急性期における血腫量および血腫進展方向からの検討-,脳卒中 12(4), pp.357-362, 1990.

渡辺正仁(監),理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のための解剖学,廣川書店,PP276-277.

脳のmapping:橋は背部と腹部で機能が異なる – ライブドアブログ


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理学療法士

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