アキレス腱断裂は保存と手術どっちが再断裂しにくい?

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アキレス腱の断裂はあまり遭遇しない疾患ですが、中高年のスポーツ参加が増えた近年では増加しているのではないでしょうか。今回は長年議論の対象になっている保存療法と手術の違いを調べてみました。

治療法には保存療法、観血的縫合術、経皮的縫合術に大きく分かれる。

保存療法、観血的縫合術、経皮的縫合術の3種類があります。経皮的縫合術には一部切開して断裂部を視覚的に確かめてから行う方法など変法もあります。それぞれメリット・デメリットがあって、長年何が良いのか議論の対象になっています。

保存療法:傷口が残らず美観的に優れている。その代わり荷重や可動域練習などプロトコールは遅め。

観血的縫合術:アキレス腱上の皮膚を縦に数cm切開するため、OPEによる傷がデメリット。

Ruptured_achilles_tendon

画像出典:アキレス腱断裂 – Wikipedia 観血的縫合術

経皮的縫合術:保存と観血的縫合術のいいとこどり。画像は断裂部に3cmの横切開を加えた半経皮的縫合術。

スクリーンショット 2015-01-07 17.09.07

画像出典:岩本ら(2000)MRIによるアキレス腱皮下断裂の評価 図1より引用 半経皮的縫合術

再断裂は手術で少なく保存で多い

観血的縫合術>経皮的縫合術>保存療法で再断裂は起こりにくいです。Mindsガイドラインセンターには以下のように掲載されています。

Möllerらによると手術療法で1.7%(1/59),保存療法で20.8%(11/53), Cettiらによると手術療法で5.4%(3/56),保存療法で12.7%(7/55)であった.

<中略>

Rebeccatoらの報告によると,再断裂は手術療法0%(0/9),経皮縫合術10%(1/10),小切開7%(1/14)であった

どの方法でも断裂するときはするのですが、保存療法の方が断裂しやすいのはコンセンサスのようです。しかし手術療法も感染や神経損傷による麻痺など手術自体のリスクがあります。

保存と手術の予後の差は?

長期的にはどちらも再断裂以外は大きな差は認められていません。Mindsガイドラインセンターから保存と手術を比べた文献を引用すると走行などで差が認められるとの意見もあります。

Cettiらの手術例と保存例の比較では,1年後の予後調査時には足関節の可動域異常が保存群に多く(p=0.002),また腓腹筋の萎縮が保存例に多く(p=0.0017),有意差はないが歩容異常が手術例に多く,走行異常が保存例に多いとしている

傷口ができる手術療法の方が皮膚と腱や滑液包の癒着が起こり可動域制限の原因になりそうですが、意外に結果は逆になっています。歩行と走行で反する結果も気になるところです。

再断裂を予防するには?

今ひとつエビデンスを持ったものはないようです。運動前のストレッチも効果の有無はわからない状態です。しかし経験的にはやっておいたほうが良い気がしますよね。

断裂を起こすアキレス腱には石灰化などの変性が見られるという報告もあり、他の要因との兼ね合いも大きいと考えられます。運動習慣や肥満、喫煙歴などがリスク要因となるのかを気になるところです。


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参考にした文献

岩本克也 他,MRIによるアキレス腱皮下断裂の評価,整形外科と災害外科,49(1)PP.126-129,2000.

アキレス腱断裂 – Minds


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