足趾の筋力増強は高齢者の転倒予防に有効

スポンサーリンク

高齢者の方と関わっていると退院した方がすぐに転倒して、また入院してくることってありますよね。

そんなときはお互いやりきれない気持ちになってしまいます。なのでを転倒予防しないといけない!とは思うものの、環境設定や見守りだけでなく運動療法にも効果的なものが欲しいです。

そこで今回は唯一地面に接している足関節が重要と考え、なかでも足趾の筋力増強に注目して転倒予防について調べてみました。

転倒予防のリスク 筋力低下

転倒の危険因子

画像出典:角田,安保(2008)転倒をなくすために-転倒の現状の予防対策-

まず転倒の要因の上位に筋力低下があります。これは筋力低下がないグループに比べて4.4倍も転倒しやすいとされています。

筋力低下自体がバランス障害よりも大きなリスクファクターというのはおもしろいですね。出力が落ちること自体がまずいということです。

その中で足趾の筋力に注目した研究に木藤ら(2001)のものがあります。これは高齢者の足趾筋力と転倒について調査したところ、転倒をおこした高齢者はそうでないグループに比べて足趾の把握筋力が低下していたとしています。

image442

バランスをとるなかで足趾は動的な場面で使用されます。普通に静的に立位をとって重心動揺を抑える場合はあまり働かないのですが、大きく動き重心をもとに戻す場面では活性化されます。

つまりとっさの時に働いてくれるので転倒予防に有効なのではないか、ということです。

大腿四頭筋や体幹筋など大きな筋肉はよく鍛えられますが足趾は忘れがちです。高齢者の転倒予防指導などではメニューに積極的に足趾の練習を加えてみるとよさそうです。あわせて足趾の機能が低下する内反母趾やバニオン形成など変形がないかチェックしましょう。

どの指が大事?

加辺ら(2002)はファンクショナルリーチを行った際の足趾の役割を調べた研究では、足底板を用いて目的の場所を綿花

母趾には偏位した体重心を支持する「支持作用」、第2~5趾には偏位した体重心をもとに戻すを「中心に戻す作用」があるのではないかとしています。

支持基底面内を大きく使えないのか、また戻れないから使わないのかを考察できそうですね。

どんなトレーニングが有効?

足趾のトレーニングには把持と圧迫の考え方があります。把持は伝統的なタオルギャザーや小さなボールをつかむよような等張性の動きで、圧迫は床に対して足趾を屈曲させて等尺性収縮をさせます。目的によってこれらを変えます。

把持

圧迫

堂田ら(2012)は把持と圧迫を男子大学生30人にトレーニングしてもらい変化を評価したところ,

  • 把持では30秒間片足立位の重心動揺が減少
  • 圧迫では内側縦アーチの上昇

以上の変化がおこり、2つを治療時に使い分けることを提案しています。

これを考えると、若い方で偏平足の改善などには圧迫練習、転倒予防の高齢者には把持練習が良いのではと思います。

把持練習は物品を使用して視覚的に確認してできるからメニューが組みやすいですね。ジャンケンやボールつまみなど沢山思いつきますし。圧迫練習は体重計を用意してみるとよさそうです。

体重計

写真はデジタル体重計ですが、練習のときはアナログの方が頑張れそうです。


スポンサーリンク

参考文献

堂田 章一 他,運動様式の異なる2種類の足趾トレーニング効果の検討─足趾筋力,足部形態,重心動揺への影響─,第47回日本理学療法学術大会,p. Cb0732,2012.

加辺憲人 他,足趾が動的姿勢制御に果たす役割に関する研究,理学療法学,17(3),pp.199-204,2002.

角田 亘,安保 雅博,転倒をなくすために-転倒の現状の予防対策-,東京慈恵医会誌,123,pp.347-71,2008.

木藤伸宏 他,高齢者の転倒予防としての足指トレーニングの効果,理学療法学,28(7),pp.313-319,2001.


スポンサーリンク

理学療法士

Facebookもやってるよー(*´ω`*)


コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ