圧迫骨折と破裂骨折の違いと予後不良因子の判定

スポンサーリンク

 Denisのthree-column theory

Denis3column-theory


スポンサーリンク

椎体骨折の分類はDenisのthree-column theoryが分かり易く、文献でも広く引用されているので覚えておくと良いです。

columnとは柱のことで直訳すると3本の柱理論となります。

Denisは椎体を前方支柱(anterior column)、中央支柱(middle column)、後方支柱(posterior column)の3種類の組み合わせと考えました。

特に重要になるのが中央支柱で、ここの損傷は脊柱管内に突出が生じ安く遅発性脊髄損傷の原因となります。また圧迫骨折と破裂骨折の違いが中央支柱にあります。

  • 圧迫骨折:前方支柱の損傷
  • 破裂骨折:前方支柱と中央支柱の損傷

image92-1

中央支柱に損傷が生じてじわじわ潰れて脊柱管陥入し、神経症状を起こすのが遅発性脊髄損傷です。なのでx−pやMRIなど画像を確認する際は椎体後壁がどんな状態かチェックしましょう。

あまりに圧壊が進んでいる場合や神経症状が出ている場合はOPE適応となります。

神経症状と予後不良因子

圧迫骨折

破裂骨折の全てに神経症状が現れるのはではありません。冨士川 恭輔ら(2012)は「陥入骨折の占拠率がTh12以上35%, L145%, L2以下55%以上となると神経障害が合併しやすいとする報告もある.」と記載しています。

また予後判定は受傷時画像だけでは困難で、撮影された画像の経時的な比較や臨床症状と合わせて考えるのが大切です。

新鮮脊椎圧迫骨折の予後不良因子を検討した大野ら(2004)は「受傷時骨折型では予後予測は困難であった」とした上で、圧潰進行因子をいくつかあげています。

  1. ステロイド使用群は椎体圧潰悪化を認めた。
  2. ベッド上安静後すみやかに安静時痛が軽減しない群は局所後彎角が悪化した。
  3. MRIにて境界明瞭な帯状T1強調信号を呈する症例は椎体圧潰が進行していた。

まとめ

数々の因子に影響を受けているので、画像で骨折の形を把握して総合的に評価を行って介入する必要がありそうです。

保存療法での椎体骨折プロトコール

おまけに保存療法の簡単なプロトコールを載せておきます。神経症状がない場合の多くは保存療法で治療が進められます。

椎体骨折の保存療法のすすめ方は資料の数が少なくて具体的な数字は見つけにくかったです。そんな中、神中(じんなか)整形外科学下巻には比較的詳しく書かれていました。

この本は初版が1939年とかなり古く日本の整形外科学書の先駆けとなった本のようで、革張りの上下2巻セットで押し花ができそうなくらい重厚なものです。2013年に改定23版が出版されました。

岩本 (2013)は神中整形外科学で以下を勧めています。

  • 小損傷であれば軟性コルセットの適応であり、疼痛の軽減がみられれば離床を許可
  • 圧迫骨折では圧潰が中等度以下であれば軟性または硬性コルセット装着で離床は約2週間後
  • 破裂骨折の保存は確固たるものはない。ギブス装着を3ヶ月として、高齢者では臥床期間を考え4週臥床させ外固定装具で早期離床を行う。

次回は保存療法で骨癒合が得られにくいVacuum cleftについて書きたいと思います。

2014/12/3 追記

椎体骨折のKummell’s diseaseとVacuum cleftについて書きました。

本を読んで知識を効率よく吸収しよう!

整形疾患のリハビリテーションならこの本を読んでおけば、最低限の知識はすぐにつきます。圧迫骨折に関しても、詳しくのっていますので読んでみて下さい。

神中整形外科は整形疾患のことなら、ほぼ全て書いてくれています。余裕があるなら持っておくといいでしょう。

参考にした文献、HP

冨士川 恭輔,鳥巣 岳彦(2012),骨折・脱臼,南山堂,第14章 胸椎・腰椎骨折

岩本 幸英(編)(2013)神中整形外科学 下巻

小野晴子他(2004),新鮮脊椎圧迫骨折の予後不良因子の検討,整形外科と災害外科

鳥巣岳彦他(2005),標準整形外科学,医学書院,pp.725-726

 


スポンサーリンク

理学療法士

Facebookもやってるよー(*´ω`*)


コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ